税理士
会計士の財務会計論と税理士の簿記論や財務諸表論との違いは?(会計士から税理士への転向)
- 質問
- 会計士の財務会計と税理士の簿記論や財務諸表論との違いは?(会計士から税理士への転向)
- 回答
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会計士の財務会計を一通り学んだ場合、税理士の簿記論・財務諸表論は学習範囲はほとんどカバーされています。ただし、合格を勝ち取られるためには、それぞれの科目についてブラッシュアップしていただく必要があります。具体的には以下の通りとなります。
●簿記論簿記論に合格するためには、試験形式に慣れていただくことが必要です。会計士試験と異なり、税理士の簿記論は2時間まるまる計算問題を解答することとなりますので、2時間という時間をどう使うのかが、合否を決めると言ってもよいでしょう。また、第三問(実務家試験委員による出題)は、出題される論点が実務的での頻出項目に限定され、かつ資料の内容もかなり実務的な色彩が強いものが出題されます。ただし、解答するために必要な知識は財務会計で習得されているので、税理士・簿記論特有の出題形式にしっかり対応するための“訓練”を行えば、合格を勝ち取ることができると考えます。
●財務諸表論まず、理論につきましては、出題形式の面では会計士試験と若干相違する部分がありますが、出題論点は会計士試験とほぼ同じですので、会計士の学習された内容で十分対処できるものと思います。一方、計算につきましては、株主総会提出用の正式な計算書類の作成が出題されるため“会社法”や“会社計算規則”に準拠した表示上のルール(表示区分・表示科目・注記事項)に関する知識を補充する必要があります。また、簿記論の第三問と同様に実務家試験委員により出題されるため、その出題形式に慣れることも重要です。ただし、解答するために必要な知識は財務会計で習得済ですので、出題形式にしっかり対応するための“訓練”さえ行えば、十分合格点を獲得できるものと考えます。
●試験範囲について会計士の財務会計の学習内容で税理士の簿記論・財務諸表論の試験範囲外の項目は基本的にありませんが、強いて言えば「連結会計」の取扱いが大きく異なることが挙げられます。「連結会計」は、上場企業の監査をメイン業務とする公認会計士には必須の論点といえますが、非上場企業(中小企業)をメインのクライアントとして持つ税理士においては、必須論点とは言い難いものがあります。したがって、「連結会計」の出題頻度も低く、出題内容も資本連結や成果連結の基本的事項にとどまっており、会計士で学習するような応用論点までを習得する必要はありません。
なお、TAC税理士講座では、5月より「直前対策講座」が開講します。そこでは、本試験と同レベルのボリューム・難易度の答案練習を繰り返し実施し、その中で合格答案作成テクニックを磨いていただくことができます。過去においても、会計士受験生で短答式試験まで学習された方が、TACの直前対策講座を受講して税理士試験の出題形式に慣れ親しんだことにより、見事簿記論・財務諸表論に多数合格されています。
ただし、会計士の学習から期間が空いている場合や基礎に不安がある場合は、5月まで待たず早めに税理士に向けた学習をしていただくことをお勧めいたします。
・期間が空いている場合は、しっかりとINPUT講義を行う「 基礎マスター+上級コース(年内から学習開始の場合) 」または「 速修コース(年末年始から学習開始の場合) 」の方が安心して学習できるでしょう。
・一からの学習は不要である場合は、年末年始から学習できる「 上級コース 」でOUTPUTを充実させた方がより効果的な学習が可能となります。
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